オークは英国でキング・オブ・ホーレストと呼ばれて大切にされてきました。
森好きのドイツ人は日本のオーク(カシワ)をDaimio−Eicheつまり大名ナラと訳しその壮大さ、樹形の美しさをたたえ
温帯ブナ林の王者と認めています。

 芦別市にあるミズナラは古くから信仰の対象の伝えがあり
「アイヌたちが尊い木としてあがめ、大樹の前にひざまずいてその無事と猟の多いことを祈っていた。」
これとは別に日本のオークも平安時代には、カシワは葉守神として神聖視された。
それは源氏物語に「カシワ木に、はもりの神にまさずとも、人ならすべきや、どのこずゑか」とあり「枕草子」などにも
同様の記事があるそのため神職をつかさどる家にこのカシワの家紋が多い。
それは、代々皇大神宮に奉仕した伊勢の久志本氏、熱田大神宮の千秋氏など多数ある。

 池田町内にある寺院、聖徳寺の住職もカシワの葉は何時までも落ちなく次年の新芽が出る頃古い葉が落ちることから、
なかなか落ちない葉にあやかり、寺が落ちぶれることないことを祈願しカシワの木を植えたほどです。

 一方北海道巨樹、巨木の調査報告書(環境庁1991)でも巨木数第一がハルニレで191本が調査記録されていますが、
カシワ75本とミズナラ162本をあわせた、つまりオークでは237本で巨大な木の数では北海道一で、まさに王者です。

 中でも名寄市にある保安林内のミズナラは幹周が910cmで全道の最高の太さのとされていて北海道で太い木のNo1です。
第2位はトチノキ860cm、……・6位ミズナラ620cm〈和寒〉となっていますが、池田町東台のミズナラは未登録ですが
幹周(720)cmで第2位となるのです。

 この環境庁の調査でわかったことですが、一地域で幹周が300cmのオークがまとまって樹林を形成している清見ケ丘は
北海道でただ一箇所なのです。オークの森としては日本で最高のものでしょう。
このような貴重な木をのこしてくれたご先祖様に感謝し、もっと大切に管理をしていくと同時に観光の資源として、
たとえば白神山地のブナ林のように・・日本一のオークの公園とか・

 この様に北海道でもオークは王者の地位を固めているのですが、信仰心の薄い北海道へ移住してきた人々は
オークを開拓の邪魔として扱い切り倒しました。

 一方アイヌ伝説にはカシワ木が祭壇を守るという伝説があり、古来より世の東西を問わずづ神事、慶事の木として扱われてきた。
また、ドングリを食料としてきたこともあり、大切にしてきたところはヨーロッパの人々通じるところがあります。

 「オークの森」造林予定地の池田町字東台、通称 乳飲(呑)沢はアイヌ語から発生した言語と思われます。
チ(ti)ノミ(nomi)は我ら・祈ると訳し、以前より信仰の対象としていたミズナラ(コムニ、トンニ=どんぐりの木又は実)の
たくさん自生していた沢、つまりドングリの木が多くあり信仰の対象としていたものと考えます。